どんな装置でも速度制御は必要
世の中にある装置には必ず、速度制御がなされていると思います。
その中で、空気を使って何かを動かす装置には、速度制御弁(スピードコントローラー)を使用したメータイン制御、メーターアウト制御があります。
本記事はその2つの制御の構成や動作、特徴を説明していきます。
メーターアウト制御とは
メーターアウト制御は一般的に多く用いられている制御方法です。9割くらいはメーターアウト制御だと思います。
どのような制御方法なのか簡単に説明すると、排気側のエアー通り道を狭くして、スピードを調整する方法です。図にすると下図のイメージになります。
メーターアウト制御図
メーターアウト制御は給気(流入)側が絞られることなく十分な空気量が供給でき、排気側は絞り弁によって、高い背圧が確保できます。そのためシリンダーピストン移動途中で負荷や抵抗が変化しても影響が少ないです。
このように「メーターアウト制御」は負荷の変動に対して比較的安定した速度が得られる制御です。
動作と特徴
- 調整しやすい
- 垂直方向でも制御できる
- 負荷の変動に対して速度が安定する
- 排気側の圧縮空気がないと制御できない(飛び出し現象発生)
メーターイン制御
メーターイン制御は給気側のエアー通り道を狭くして、スピードを調整する方法です。図にすると下図のイメージになります。
メーターイン制御図
動作と特徴
- 排気側条件に左右されない
- 動き出しが早い
- 負荷の変動に弱い
- 外力や負荷の慣性の作用を受けやすく、垂直方向の制御が難しい
- 排気が急激に行われ断熱膨張が発生し、結露を発生することがある。
- エアークッションが使用しにくい
メーターイン制御単体では殆ど使われることはないです。
筆者も単動のシリンダーにしか使ったことはないです。
メータイン、メーターアウト制御の見分け方
メーターイン、メーターアウトアウト制御は回路記号で判断するのが一般的です。
下図がメーターアウトの回路記号になります。
筆者はエアー供給方向にに対して球が邪魔しないのが、メーターアウトと覚えてます。
一方、下図がメータインの回路記号になります。
筆者はエアー供給方向にに対して球が邪魔する、メーターインと覚えてます。
スピコンの色で判別
スピコンの種類によっては色で判別できるものもあります。
下の写真はメーターインのスピコンになります。
回す部分が青色のスピコンがメータインのスピコンになります。
下の写真はメーターアウトのスピコンになります。
回す部分が灰色のスピコンがメータインのスピコンになります。
色によるスピコンの判別は全てに共通している訳ではないので、記号による判別が一般的になります。
上の写真は記号によって判別するスピコンになります。
まとめ
メータイン制御、メーターアウト制御がありますが、ほぼメーターアウト制御で大丈夫です。
筆者の友人にも聞いてみましたが、友人もメーターアウト制御しか使ってないと言っていました。
取り合えずメーターアウト制御と覚えていれば良いと思います。
終わり