機械設計技術者試験3級独学に1発合格した勉強法、参考書を伝授します
筆者は2022年の機械設計技術者試験3級に合格しました
何とか1発合格できたので勉強法等を書いて行きたい思います
機械設計技術者試験とは
日本機械設計工業会が行っている機械設計技術者の技術力を認定している試験です
試験は3級、2級、1級とあり、1級が最も難易度が高いです。
筆者は2級、1級の過去問を見ましたが、3級とは問題のレベルが違います
3級試験の概要
機械や装置の設計や製図等の業務を行える能力に達した技術者、または機械設計全般の基礎知識を習得した学生を対象とした試験です。
筆者が3級の試験を受けたときは若い人や学生さんが多数受けていた印象があります
試験の形式
試験はマークシート方式です。
試験時間は1時限目が12:00~14:00、2時限目が14:20~16:20と各2時間ずつ、計4時間の試験です。
第1時限 12:00~14:00 |
機構学・機械要素設計、流体工学、工作法、機械製図 全科目マークシート方式 |
第2時限 14:20~16:20 |
材料力学、機械力学、熱工学、制御工学、工業材料 全科目マークシート方式 |
出題範囲
機械工学基礎として以下の10項目から出題されます
機構学・機械要素設計、機械力学、制御工学、工業材料、材料力学、流体・熱工学、工作法、機械製図
試験レベル
3級は偏差値56
となっており、難解な部類に入っています
3級だと同じ偏差値56で
二級建築士 や 数学検定 準1級です
勉強時間
200~300時間くらいと言われています
筆者も試験まで210時間程度の勉強時間を費やしたので合格まではその程度は勉強しないと合格は難しいと思います
勉強法
筆者の勉強法はほぼ過去問を繰り返し解く勉強をしていました。途中で分からない所をネットで調べてました。(筆者が調べていた内容例はラプラス変換等です)
過去4年間の過去問題集を10周くらいしました
苦手教科を把握して深追いしない
試験科目が10科目あるので、苦手科目はあると思います
筆者は制御工学が苦手で正直試験問題も良く分かっていません
筆者はなんとか合格出来ましたが、過去問を解くだけでは太刀打ちできない科目も存在します
筆者が経験した中で過去問を理解すれば解ける科目と専門書を買った方が良い科目があるので紹介したいと思います
機構学・機械要素設計
過去問を解いていてほぼ毎年、歯車・軸受について問題が出題されていました
軸受の特徴や違いについて、問われることが多かったです
歯車については、ほとんどが計算問題でした
筆者が過去問を解いていて思ったのが、類似問題が全く出てこなかったです
機構学・機械要素設計は専門書の購入をオススメします
因みに筆者は2022年の試験では一問も分かりませんでした
下記問題が初見で解けるのであれば専門書はいらないと思います
筆者は無理でした
流体工学
流体工学は過去問を理解すれば解ける科目だと思います
よく出てくるキーワード
- 計算問題として、レイノルズ数、連続の式、ベルヌーイの定理、パスカルの定理
- 暗記、語句説明として、噴流、揚程、層流、乱流等が出ます
■流体工学のまとめ
連続の式、ベルヌーイの式、パスカルの原理についての問題が多いので、公式の使い方はよく理解しよう、理解しないと丸々大問を落とします
工作法
工作法は過去問を理解すれば解ける科目だと思います
■工作法のまとめ
毎年、必ず各種加工法について問う問題が出ています
特に切削加工・プレス加工の問題が多いです
切削加工においては、特徴、切削条件や工具に関しても理解しておくと良いと思います
2022年問題では出てきました
機械製図
機械製図は過去問を理解すれば解ける科目だと思います
ここが1番の稼ぎ場所であり根幹となる科目になります
ここで点が取れない=不合格と思ってもいいです
暗記すべきキーワード
- 線の種類・用途
- 寸法公差、普通公差、はめあい
- 幾何公差、溶接記号
■機械製図のまとめ
過去に出題された問題と全く同じ問題や、似たような問題の出題が多いので点数を取るチャンスです
稼ぎ場所です。問題数も多いのでやればやるほど取れると思います
過去問は満点を取れるくらい暗記しましょう!
材料力学
材料力学は過去問を理解すれば解ける科目だと思います
覚えるべきキーワード
- 応力、ひずみ、断面係数、縦弾性係数、横弾性係数
- フックの法則
- 断面二次モーメント
- BMD(曲げモーメント線図)
- 片持ちはり
■材料力学のまとめ
応力、応力、ひずみ、伸びを求める問題が多かったです。
はりの問題は、断面二次モーメントを求める問題が多いので、円形と長方形の公式は覚えておくといいと思います。
- SFD(せん断力線図)
- BMD(曲げモーメント線図)
を理解しましょう
最悪、荷重の掛け方で図形状が全く違うので暗記という方法もあります
機械力学
機械力学は専門書の購入をオススメします
過去問と類似の問題が出てくるときと全く出てこない場合があります
専門書で解ける問題を増やして挑みましょう
覚えるべきキーワード
- 張力、遠心力、角速度、固有角振動数、固有振動数
- 動力、エネルギー保存の法則
- ばね定数
■機械力学のまとめ
基本的には高校物理の力学問題だと思いますが、悩まされる問題が多いように思います
下記問題が初見で全て理解していれば過去問だけでも良いと思います
熱工学
熱工学は過去問を理解すれば解ける科目だと思います
ここも得点源の科目だと思います
過去問と類似問題が多数出てきます
覚えるべきキーワード
- 熱機関、カルノーサイクル、オットーサイクル
- TS線図、PV線図、伝熱、理想気体、状態変化
■熱工学のまとめ
過去問熱サイクルと伝熱工学の問題が出題されています
その他には、状態変化と理想気体の問題が出題されていました
2022年は熱サイクル問題が出てきませんでした
制御工学
制御工学は専門書の購入をオススメします
それでも分からない場合は捨て科目にしましょう
覚えるべきキーワード
- フィードバック制御、ステップ応答、1次遅れ要素
- ラプラス変換
■制御工学のまとめ
正直、勉強しても分からない人が多いと思います
ラプラス変換と暗記だけ理解して終わらせても良いと思います
筆者も諦めた科目です
それでも合格しました
工業材料
工業材料は過去問を理解すれば解ける科目だと思います
ここも得点源の科目だと思います
覚えるべきキーワード
- 炭素鋼、材料試験法、熱処理
■工業材料のまとめ
金属材料・鉄鋼材料に関する出題が多く、炭素鋼の熱処理についての出題が多いです。
フェライト、パーライト、セメンタイト、オーステナイト、TTT線、焼きなまし等
暗記科目なので、是非得点源にしましょう
まとめ
筆者は2022年現在製造部に所属してます
同じ会社の設計の先輩と一緒に受けたのですが、先輩は落ちて、筆者が受かりました
このことから、3級は努力で合格できる資格だと思います
ただし、一夜漬けで受かる資格ではないのでしっかり勉強しましょう
筆者が使用した過去問も載せておきます
終わり