商用ソフトによるシミュレーションの浸透
近年、パソコン性能の向上により研究や製品開発にシミュレーションが使われるようになってきました。
さらに最近は、自身コードによるシミュレーションではなく、商用ソフトによるシミュレーションが主流になっています。
商用ソフトによるシミュレーションのメリットはプログラムを知らなくても計算が出来ることですね。
しかし、汎用性が高いがゆえ注意しないといけないことがあります。
商用ソフトは商品である
まず、商用ソフトは商品(売り物)であるということを忘れないでください。
何が言いたいのかというと、商品なので、どうにかして計算を完了させてしまうということです。
商用ソフトの年間ライセンスは数百万~数千万程度です。
中々の値段ですよね。
この金額を払って、シミュレーションをするのに、エラーばかりで計算してくれなければクレームが出ますよね(笑)
商用ソフトはあまりエラーを吐き出さないように、どうにか計算しようとします。
その結果の信頼性の有無にかかわらずです。
いくらシミュレーションが簡単に出来るようになったといっても、日々の勉強や結果の信頼性を考えつつ行わなければなりません。
実際に、良くない計算結果例を示します。
円管内のハーゲンポアズイユ流れ
円管内のハーゲンポアズイユ流れのシミュレーションをしました。
まず、どのような速度勾配になるかというと
このような速度形状になります。
まずは信頼性のあるシミュレーション
結果から
ハーゲンポアズイユ形状になってますね。
では次に良くない結果
ハーゲンポアズイユ形状になってないですね。
良い結果の場合と、どこを変えたかというと
メッシュ比を変えました。
良い結果は一様メッシュで計算を行い、悪い結果ではメッシュを円管中央に寄せました。
その結果メッシュ(計算)の不連続性が発生し、ハーゲンポアズイユ形状になりませんでした。
しかし、計算が完了し、信頼できない結果が出来てしまいます。
今回はメッシュ比よる例にしましたが、その他にも様々な要因でよくない結果が出てしまいます。
例えばメッシュ数が足りない、繰り返し計算が足りないなど等
メッシュ比は上手く使わないといけない
後、メッシュ比を悪く書きましたが、上手く使わないといけません。
一様メッシュで細かくしようとすると計算コストが高くなってしまいます。
上手く使うとメッシュ数を1/4程度にできたりします。
(経験上)
まとめ
商用ソフトを扱うにしてもやはり数値計算の勉強は必要だと思います。
計算の裏でどのようなことが行われているか、知っているか知っていないかで、結果の見方も変わってくると思います。
特に有限要素法ではメッシュが一番大事です。
終わり